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【経営情報】

 本ページは過去の経営情報を再掲載しております。

実抜計画(1) 


実抜計画とは。。。通常、企業経営の場において「実抜計画(じつばつけいかく)」という言葉を使うことは殆どないが、金融業界では一般的に使われている言葉で、実抜計画とは、「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」の略である。金融検査マニュアルに記載されている言葉である。 
 

この場合の計画書は、企業業績が思わしくなく、何らかの財務上、事業上、業務上の改善が必要な企業が策定する場合に用いられるが、企業再建でも、再建会社ではない企業が将来的な計画を策定する場合でも、計画書を作成する場合は、実現可能性の高い計画とすることが重要であることは言うまでもない。
また、合実計画:「合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画」という言葉もある。


事業計画書を作成する場合、「実現可能性の高い」計画ということは作成した計画が現実のものになるということだが、将来を予測することは誰にもできることではない。よって、この計画の売上高や利益計上を達成するために、このようなアクションを行うという具体策が折り込まれておくことが必要である。


その具体策がリアルでビジュアライゼーションできることによって、その計画を説明する相手(社内外、金融機関)がこれは現実的だなと思ってもらうような計画にすることが「実現可能性の高い」計画である。 
 

よって、相手に映像として頭に描いてもらえるような計画を作成するということは、作成する自分も計画をビジュアルに描けなければいけないということである。つまり、単なる数字の羅列では意味が無いし、第三者に作成してもらった計画も意味がないのである。 
 

下記の金融庁HPには、改善計画書を策定していなくても、今後の経営改善に見通しがあればよい、との記載があるが、計画書を作成しない経営改善があるだろうか?書式や計画書の中身は別としても、経営者自らが計画書の策定に関与し、自ら作成して初めて実抜計画になるのである。その出来具合を金融機関にアドバイス受けることはいいとしても、計画書なしに金融機関にお願いするのはナンセンスな話しである。ヘタでも自分で作成することである。

 

また、「抜本的な」計画とは、今までに自社では取り組んでこなかった内容を織り込むということである。収益力回復のための経費削減や製造原価低減策など、とにかく収益に直結するような具体策を、過去にとらわれず経営者自らが考えることである。自分の考えが出尽くした段階で色んなブレーン(社員、銀行、知り合いの経営者、公的機関、コンサル、税理士ほか)に相談することである。それを言葉にし、数字にしていくのである。計画書は中身である、体裁に拘る必要もなく、経営者の考えを言葉と数字に置き換え、自ら説明することである。

 

Pages/20091228
実抜計画(2) 
 

中小企業金融円滑化法の成立に伴い、金融機関では相談窓口の開設を行い、条件変更の相談が多く寄せられているようです。 
基本的には、2008年11月から条件変更がしやすよいうに金融検査マニュアルも改訂されていましたので、法案が成立したからといって以前と変わる点はほとんどありません。 
しかし、一時モラトリアム法案で借入金返済の3年間元金猶予という流れだけが先行し、メディアでも取り上げられましたので、従来に比べ金融機関の対応は柔軟になっていると思います。 
 

先日、某社の1年間元金返済猶予のお手伝いをしましたが、条件変更をお願いする際の基本は、 
・条件変更の必要性を過去の数値から説明すること(PL、CF) 
・今後の条件変更期間や向う5年間の収益計画を説明すること(PL、BS、CF) 
・返済を行わないということは金融機関のCFに支障を来すことであるから、資産売却・経費削減など法人や経営者責任を明確にすること 
・以上の実抜計画を経営者が金融機関に自ら説明すること 
・条件変更後は金融機関に頼らずに資金繰りができること(元の返済条件に戻るまでは新規融資は基本的にできない) 
・一部には計画書作成していなくても条件変更ができるとの考えもあるが、計画書は自ら作成すること 
・売上計画や収益計画のブレは10%以内、最大でも20%以内に抑えること 
・条件変更後は月に一回報告書を提出すること(試算表、CF、金取表他)


中小企業金融円滑化法という法律は成立しましたが、借りたものを返さないということは約定違反であることは現実ですので、条件変更をお願いする経営者はそれなりの経営再建に対する覚悟が何より必要です。

Pages/20100119
実抜計画(3)

 

実抜計画とは、「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」です。
条件変更・返済猶予を金融機関にお願いする場合に必ず必要な計画書です。条件変更・返済猶予だけでなく、新規事業や設備投資を行う際の融資申し込みでも事業計画書が必要なのと同じです。ですので、実抜計画と経営計画書や新規事業計画書は殆ど同じとも言えます。
この実抜計画に記載すべき内容について、多くの質問や問合せがありますので、この経営情報にて実抜計画書の構成概要をご紹介します。
 

まず、最近当社で策定した計画書では総ページ数が50ページでした。計画書文書の部分が13ページ、財務補足資料他(エクセルで作成した財務データ)が37ページです。
 

計画書の文書には、
・「はじめに」として、挨拶文・財務状況ポイント・お願い事項
・過去5年間の売上高推移や年度毎のトピック
・直近、今期の売上高、収益説明
・今期の収益改善内容(売上総利益、人件費、その他経費)
・来期の収益改善内容(売上総利益、人件費、その他経費)
・条件変更のお願い(変更内容)
・実抜計画であることの根拠説明
・黒字化、債務超過解消時期の説明 など
 

財務データとして添付するものとして、
・売上年計表
・経営再建計画財務概要(直近と向う5年間のBS,PL,CF、銀行毎残高推移、財務概要)
・金融機関別借入明細書
・不動産担保総括表
・リース明細
・連続BS(過去3年、債務超過解消までの期間、通常5-7年)
・連続PL(過去3年、債務超過解消までの期間、通常5-7年)
・月次PL(過去1年、向う2年)
・売上高構成に関するセグメントデータ(担当者別、得意先別など)
・売上高に関する過去の明細、向う2年間の計画
・売上高や売上総利益の計画に対する根拠や外部データ
・月次資金繰り予定表(過去6ヶ月、向う1年)、必要に応じて日次資金繰り表
・給与明細(削減が必要な場合)、削減前後比較
・一般経費削減明細
・直近試算表 など


業種や会社規模に応じて、その他の資料も必要になる場合もあります。また、上記を作成するためには根拠となるデータ(例えば、減価償却予定など)も必要となります。
金融機関にとって、融資先毎に詳細な計画書作成のアドバイスは時間的にも難しいと思いますので、企業・経営者自らが作成をすることが重要となります。

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