【経営情報】

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木を見て森を見ず


木を見て森を見ずということわざがあるが、辞書を引くと、小さいことに心を奪われて、全体を見通さないことのたとえとある。
ビジネスにおいても様々な事象が高度化している現代、このたとえと同じような現象が見受けられる。
高度なコンピュータ化でinputすれば答えがoutputされることで、途中の計算式やinputとoutputの関連性がまったく分からなくなっている。
例えば、税理士事務所で会計コンピュータに仕訳を入力すると決算申告書が自動で出てくるために、申告書別表やその数字がどういう意味なのかまったくわからなくなっている所員、エクセルやアクセスなどのソフトを使いデータ処理を行う場合データ入力に傾注し、出てきた答えの検算もなく、集計結果と現実の数値が大幅に違うのにわからないままに書類を作成する等、コンピュータ化が人々の考える、疑問に思う、物事を探求する能力の弊害になっている部分もある。


このような弊害はコンピュータ上だけでなく、仕事の現場でも見受けられる。
自分に与えられた仕事をスムーズにこなし、応用力のある仕事をしていくためには自分の仕事の前後がわかならければならない。
例えば、商社の営業マンがその商品のみを売ることだけに傾注し続ければ、なぜその商品の注文を頂けるのか、なぜその商品の納期が長いのかなど、その商品の全体的なニーズがつかめなければ、あらたな受注を得ることはできない。
中小企業の場合、大企業等が受注しているモノ・サービスの一部を担う場合も多く、いわゆる下請けといわれる企業が多いと思うが、大企業等から自動的に受注が来ることに慣れている企業ほど木を見て森を見ずということになっている場合が多い。
大企業がその受注をなぜ獲得できているのか、そのエンドユーザーは国内か海外企業か、どのような需要で受注を頂いているのかを常にわかるような情報を収集することが必要である。
当たり前のことであるが、これを出来ていない企業が圧倒的に多い。


自分の仕事の前後左右、自分の仕事はどこから来てどこに行くのか(自分が扱うモノ・サービスはどこから来て、最後にどこに行くのか)をきちんとロジックでわかる必要がある。


専門的な例えだが、電力会社の重電機器営業マンがA変電所の遮断機の点検を受注したとしよう。この営業マンはA変電所の遮断機点検に合わせて一生懸命該当の遮断機の予防保全は提案するが、それ以上の提案はしていない。
A変電所の遮断機が点検で通電がストップすれば、その遮断機の相手端のB変電所の遮断機も自動的に止まることになり、この遮断機の予防保全も同時に提案できるのである。
電力会社の場合、発電所から一般家庭まで電線は必ず繋がっており、この系統図(森)を見ていれば、A変電所遮断機(木)だけでなくB変電所の提案ができるのである。